意見と反応の違いって、このことなんですね。

先日読んだ本を踏まえて、 今日出席した会議で印象的だったことを書きます。

 

まず読んだ本というのは、ちきりんさんの『 自分の意見で生きていこう――「正解のない問題」 に答えを出せる4つのステップ』という本です。

 

https://www.amazon.co.jp/自分の意見で生きていこう――「正解のない問題」に答えを出せる4つのステップ-ちきりん/dp/4478115222

 

 

この中に、「意見」と「反応」の違いについて書かれていて、「 なるほど確かに自分も意見言ってるつもりで実はただの反応だった んだな〜」と反省してみたり、「いかにも」 格好のいい発言っぽいけど中身がないきもするな〜 なんて思っていた先輩の発言も、実は反応でしかなかったり、 という気づきと反省があって、それから自分の「意見」 を言うことを意識して取り組んできたつもり、です。( 違いの具体的な説明については、 ぜひ本を手にとってみてください!)


で、同じ役職同士の会議でモデレーターを務める機会がありまして、 本日その会議に出席しました。

会議の前にまずはテーマから考えたのですが、なるべく「賛成」「 反対」と言い切れるような問いにしたいなーと思ったんですね。 そうすることで、 意見なのか反応なのかがわかりやすいと思ったのと、 発言もしやすくなるかなと思ったので。


そこで、次のようなテーマで議論することを発信しました。

 

「我々グループリーダー層から、 ワーケーションに取り組んでみようと思いますが、 皆さんはどう考えますか?」


というもの。


そして会議の前に準備したのが、次の手順。(本書の、 256ページ以降の練習問題を参考にしました)


1.レベルチェック: 正解のない問題について自分の意見を言ってみる。
ワーケーションしたほうが絶対にいい!とか、全く無駄だ!とか、 そんなの人によってちがいますよね。 つまり正解のない問題だと思うんです。この問題に対して、 自分なりに意見を考えてみました。


2.言い切る!:よくわからなくても、 とりあえず反対か賛成かのみ答える。


この2つのステップで考えたのは、私は「賛成」だということ。
なぜなら、 働く場所を選べるという自由を手に入れるチャンスをみすみす逃し たくはないから。やってみて、結果的に自分に合わなくて、 オフィスで働くのがいちばん!となったとしても、 それならそれで、今までよりも主体的にオフィスで働く、 という選択肢を選んでいると思うから。 そういう自分の選択の自由を増やしていくことが、 幸せみたいなものに繋がっている気がするんですよね。 誰かに強制されているわけではない感覚が、自分にとって大事。 こんな感じです。


また、そもそもの会社のルールや、この仕組の成り立ち、背景、 他の企業の取り組み事例、よく挙げられるメリット・ デメリットをネットや社内イントラで調べておくようにしました。


そしてその次のステップ。
3.自分に突っ込む。:自分に反論し、さらにそれに反論する。
10個くらい、想定できそうなツッコミを考えてみました。
たとえば、「ただ単に遊びに行っているだけ、 本当に働いているかわからないのでは?」「 どこで働いてもおんなじでしょ?」「移動時間が無駄じゃないの? 」などなど。
こういった反論に対しての反論も考えました。
「ただ単に遊びに行っているだけ、 本当に働いているかわからないのでは?」
→「見えない」という点では、在宅勤務や部外勤務と同じ条件。 在宅勤務時と同様に報告書を作成するとか、 セールスレポートで報告を行う、とか、 運用面でカバーできるのでは?


「どこで働いてもおんなじでしょ?」
→オフィスでもどこでも成果が出せる人は、 わざわざする必要はないと思います。でも、 試してみることで気づきもあるのではないか?


みたいなかんじで、あくまで自分の考えの中ですけど、 書き出してみました。


4.言語化する:意見を簡潔な文章にしてみる。

で、自分の意見を整理して、会議の冒頭で述べました。
「私はこの取組を進めることに賛成です。なぜなら、 これからの時代、 生産性を上げることはますます大切になってくるからです。 労働時間を減らし、収益を最大化する。 そのためにはマーケットを見極める力や、 業務のムダやムラを改善していく努力が必要です。 それは同じ場所で受動的に働くだけではできることではありません 。今の当たり前を1度疑ってみる。 そういった機会にトライしてみることで、 得られる事があるのではないかと思います。 そして我々が率先して取り組むことで、 周囲への波及効果も期待できます。 我々がこの組織を牽引していく上で、 このような取り組みは組織風土をより良いものにしていくためには 必要だと考えます」


ここまで話をした上で、案の定ありました、「反応」が・・・。 たとえば、
「まずはこれを取り組む目的に対して、 目線をあわせる必要があるんじゃないですか?」

みたいな、質問形式で飛んでくる意見風の反応。
でも、この本を読んだことで、「あ、この人はそれっぽいこと、 いかにもイケてるようなこと言っているけど、 自分のポジションをはっきり出してないな」と思ったんですね。
なので、「●●さんは、純粋にこの取組に賛成ですか? 反対ですか?条件付きで賛成ですか?」と聞くと、「 強制でなければ賛成」ということ。
つまり、おそらくですが、「 自分自身はあまりやってみたいとは思わないけど、 この取組をよしとする人にもいい顔しておきたいから、 質問形式で反応」してきたんだろうな、と。


これまでは、こういう「この取り組みの意味は・・・?」とか、「 成果を出せないならやる意味ないのでは・・・?」みたいな、「 いかにもわかっている」風な、意見っぽい反応に、 まやかされていたんだな、と気づくことができました。 それが大きな成果だったと思います。そりゃ、 責任とりたくないですもんね。
そのくらい、炎上(失敗) するのを恐れてものが言えなくなっている風土なんだな、 とも思いましたし、 反応したり誰かに便乗してクレームを言ったり、という態度は、 本当に恥ずべき情けない行動なんだ、と自戒の念を込めて、 感じました。


勇気を持って意見を言うこと、 リスクをとって自分から行動してみることの大切さを、 身をもって感じることができる本です。
そうして、自分が率先して取り組むことで、賛同してくれる人、 応援してくれる人の存在にも気づける、 という新たな一面があることもわかりました。


「自分の頭で考える」 ことの大切さは理解しているつもりでしたが、 そのために何をなすべきか?まで、 自分はこれまで思いが至っていませんでした。
でも、結局すべきことはシンプルで、「自分の頭で考え」 続けること、そうして生まれた意見を言うことが、 価値あることなんだと思います。

意見を述べることで、自分に賛同してくれる仲間の存在に気づける、あるいは反対意見をぶつけてきて新たな気づきを得られる。意見を言うことの価値を実感できた本日の会議でした。