Coda コーダ あいのうた

7月も間もなく終わる本日は、7月31日(日)。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

今年のアカデミーで作品賞を受賞した、「Coda コーダ あいのうた」を観ました。

 

Coda :Children of Deaf Adults 耳の聞こえない両親に育てられた子供、という意味になります。

 

耳の聞こえない父、母、兄と暮らす高校生の女の子、ルビー。

家族の中で唯一耳の聴こえる彼女は、ろう者の家族の「通訳」としての役割を担っていました。父・兄の漁師の仕事も毎朝3時に起きて手伝うルビー。

ある日学校で合唱部に入り、そこで顧問の先生に才能を見出されます。ルビー自身も「歌が好き」だと気づきます。顧問の先生 Mr. V の奨めもあり、音楽大学への進学を志すように。

ですが家族のもとを離れるということは、「通訳」としての役割を捨てるということ。家族たちからの希望(反対)もあり、葛藤、悩み、進学を諦めることに決めました。

 

秋の合唱コンサートが開かれた夜。家族みんなでコンサートから帰ってきた後、父と2人、ルビーは耳の聴こえない父のために歌を歌います。そこで父は、「ルビーに音楽大学を受験させよう」と決め、受験会場まで送り出します。

 

受験会場で歌うルビーは、こっそり聴きに来た家族がわかるように、手話をのせて歌を届けます。

 

という話。

 

秋の合唱コンサートで、耳が聞こえない家族たちがルビーの歌を聴くシーンの演出。ぐっと見入りました。耳が聞こえない世界とは、かくたるものか。

そしてこの話では、家族の愛が深い。とても深い。

兄は、妹が家族の犠牲になってほしくないという思いから、妹に家を出ていくことを強く後押し。母は、ルビーに近くにいてほしい気持ちがあるのに、最後は送り出してあげる。そして何より父の愛が深い。受験前夜にルビーに歌ってくれと頼み、耳じゃなく、手で、心で、聴こうとする父。そして娘のやりたいことを応援しようと行動するその姿。

何気に、顧問の先生Mr. Vもいい味出してるんですよね。受験会場で伴奏を買って出たり、良い所で弾き間違えたり。最後、合格の喜びをルビーと共有するシーンは、観てて師匠の愛を感じたなあ。

 

というわけで、心あたたまる、愛をたくさん感じられる映画でした。