日常に「戻る」 っておっしゃいますけど

先日、緊急事態宣言の延長を受け、幼稚園から休園延長のメッセージが届きました。その最後の文章の中に、「保護者の皆さまにとっても早く日常に戻りたいという思いがあるかもしれません。」という言葉があり、そうだよなーと思う一方で、何か引っかかるな、と微妙な違和感がありました。

 


ここでいう、戻りたい日常って、自分にとって何だったっけ?と思った時、そんなのあったっけ?と。

 


今では何が日常だったのかもはやわからないのです。そう、日常が過去のものになってしまい、今は別の日常があるのです。

 


思えば、過去の日常は次のような生活でした。

 


7時起床。ご飯食べて8時出発。満員電車に乗って会社へ行き、9〜21時で仕事。22時帰宅。ごはん、お風呂、翌1時就寝。

 


24時間のうち、家族との時間はせいぜい1時間あるかないか。帰ったら家族はもちろんもう寝ているので、1人でレンジでチンしてごはんを食べる。そんな日が5日間続く。

 


週末は、繁忙期は出張や添乗先で過ごして、そうでない時は子供と遊ぶ。職業柄、長期の出張が多いので、家族との時間が取りづらい時期(5〜6月、10〜11月)がどうしてもありました。

 


一方で今の自分にとっての日常は、というと。

 


5時起床、1人読書や好きなこと。

7時子供が起きてきたら朝ごはんを家族みんなと一緒に。

8時半〜9時子供たちと妻が公園に行ってる間に家事や片付け。

9時から18時まで在宅勤務。昼は時々家族と食べたり、あえて外食したり。

18時半 家族と一緒にごはん。今日はどんな1日だった?なんて話をみんなとして、21時に就寝。

 


コロナの影響で、業界自体が壊滅的な影響を受けている中で、自分の担当案件も日に日に中止や延期で激減。育休から復帰した3月から、在宅勤務や休業日などさまざまな業務制限がかかってます。

 


日々受注していた案件がどんどんキャンセルになって、後ろ向きな仕事(キャンセルの事後処理など)ばかり続くと、改めてお仕事できることのありがたみを痛感しています。

 


ただ、いまの日々は嫌いじゃない、むしろ気に入ってる。

過去の日常にはもう戻れないし、戻りたくない。

それが正直な感想でした。

 


そう自分に素直になれたとき、気づいたのは…

 


そうか、日常はつくりだすもの。日々の積み重ねなんだと。

 


こんなのんきに思えるのも、毎月、定期的に収入があるサラリーマンだからこそなのかもしれません。

 


でも、かつて当たり前に感じていた、スーツ着て重いカバン持って満員電車に乗って朝から晩まで働くっていう日常は、もはや過去のものになりました。ぜったいに戻りたくない。

 


新しい日常をつくりだしていくのに、大切なことは、

自分に正直に、ありたい自分であり続けること。当たり前だけど難しいこと。

 


お金は大事。でも、会社からの給料が全てではない。

 


前までの生活のように残業代を得て年収が増えることよりも、

年収は減るけど残業なくて自分の時間も過ごせる、家族との時間も過ごせる今の生活の方が、とっても幸せだなと、思うわけです。

 

だから、日常に「戻る」のではなく、日常を「つくる」。私はこれでいきます。