ブックレビュー 『分断を生むエジソン』北野唯我

この本を読んで思ったこと。それは、


1.必要以上に他人を攻撃しない

2.リーダーシップを発揮する上で重要なことは、「弱さを知っている」ことと「弱さを見せる」こと


ということです。

 

例えば、課長さんから突然、金曜日の夕方に、「来週月曜日に予算進捗のミーティングするから、〜〜の資料作っておくように。」という指示が飛んできたとします。


えー?この前会議したばっかりやん。また?はぁーうざ。


みたいな気持ちを、私はついつい持ってしまいがちです。


が、自分の世界が絶対ではないわけなので、そう思う自分を認めつつも、前向きにケアする必要があると感じています。

 

そして、所詮は課長さんが言うことなんていうのは、役割がそう言わせているだけ、とも思うんですよね。「課長だから、言わないといけない」ことなんだ、と。


そう思えれば、あとはあることないこと想像して、ひとつ上の視点に立って見て、楽しむ。


部長さんから予算会議で怒られたんだろうなー。とか。

課長さんも赴任してもう1年半。実績残さないと、次のポストに行けないとか焦ってるのかなー。とか。


具体的な業務知識が課長よりもあれば、課長さんの指示に対して、切り返す(攻撃する)こともできると思います。


先日あった課の定例会議で報告しましたよね?あれから1週間も経っていない中でチェックしても、あまり進捗が管理ないと思いますので、せめてもう1週間後の方がいいのではないですか?とか。

報告事項が多いと思いますので、せめて優先順位を決めていただけませんか?とか。


もちろん、後輩たちを守るために必要なことはしたいと思いますが、課長さんも上からのプレッシャーで「立場上やらなければならない」状況だとしたら、状況は好転するでしょうか?


課長さんも切羽詰まっているでしょうし、言ったところで受け入れられる可能性は低いと思うんですよね。


それなら、受け流すくらいにしておいた方が、まだお互い気持ち良いんじゃないかと思うんですよね。


つまり、必要以上に攻撃しないことが、結果的には、自分の時間を大切に使えると思うんです。少しの間、胸にモヤモヤしたものは抱えながらですが(笑)

 


ただ、もし自分が向こう(課長さん)の立場になった時、みんなが気持ちよく仕事をできる(気持ちよく指示を受け入れて行動してくれる)ようになるには、部下が課長の言葉に「納得感」を持てることが大事だと思うんです。


では何があれば納得感が生まれるのか?

人によってばらばらかもしれませんが、私は、次の3つが必要だと思います。


①筋が通っているか(首尾一貫しているか)

②ロジカルかどうか(エモーショナルではないか)

③その人自身が考えて発した言葉か(熱量があるか)


そうして納得感が生まれて、かつ共感できたら最高だなと。


共感できるには、リーダーが弱さを知っていることも大事ですが、リーダー自身の弱さを見せることも大事。


「部長から詰められちゃってさー助けて欲しいんだよ。」とか。

「分からないことがあるから、教えて欲しいんだよ。どこかで少し時間もらえないかな?」とか。


組織の中で上がっていけるのは、これまでは失敗なしのエリートだったのかもしれません。

でもこれからは、「失敗や挫折を経験したことがある」ことが必須の時代になってくると思います。

リーダーがどんな失敗をして、どんな成功をしてきたか、ということは、リーダーの信頼に大きな影響を与えうるものじゃないでしょうか。

そして、弱さを見せることができるのは、弱いことそれ自体を素直に認めているからこそであり、それもまた、リーダーにとって大切なことだと思うのです。

 

あらすじ

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