DIE WITH ZERO

先日山陰に行く旅の道中、「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」(ビル・パーキンス著)を読みました。

 

 

本書で紹介されたルールが、9つあります。

 

===================

ルール1 「今しかできないこと」に投資する

ルール2 一刻も早く経験に金を使う

ルール3 ゼロで死ぬ

ルール4 人生最後の日を意識する

ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える

ルール6 年齢に合わせて「金、健康、時間」を最適化する

ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する

ルール8 45〜60歳に資産を取り崩し始める

ルール9 大胆にリスクを取る

===================

 

さて、皆様はこのルールに共感されますか?違和感を覚えますか?それとも、こんなの当たり前だ、と思われますか?

人それぞれだと思いますが、私はこの本を読んでから、3人の顔が思い浮かんできました。それは、祖母、仕事でお世話になっているSさん、そして母です。

 

祖母は90歳近くなのですが、まだまだ元気。大病もせず、ひとりでのびのび暮らしています。

そんな祖母も数年前から、いや10年くらいまえ?から、「終活」に着手し、資産を徐々に子や孫、曾孫へと相続するように。身の回りのモノも余計なものは人に渡したり整理して。徐々に、確実に、自身の持つものをゼロに近づけています。

先日電話で話をしたときも、声はぴんぴんしていて、「健康第一よ。」という祖母の言葉には、本当に説得力がありました。90近くまで生きて、元気が一番よ、なんて、ほんとそのとおりですよね。ルール3、5、6、つまり、

 

ルール3 ゼロで死ぬ→身の回りのモノを整理(断捨離)

ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える→資産を相続

ルール6 年齢に合わせて「金、健康、時間」を最適化する→90になった今は必要最低限の金を残して、あとは手放す。健康を一番に、こせこせしない生活。

 

をまさに体現しているわけですから。

いつまでも自分の頭を使って考え、自分の体を使って動き、自分の心で感じる、そんな生き様に尊敬の念を抱かずにはいられません。

そんな祖母の姿からは、まだまだ学ぶことが多いなと改めて感じました。

 

次に、仕事でお世話になっているSさん。会社が近いということもあり、よく飲みに連れて行ってくれていました。旅が好き、という共通点もあり、会えばいつも旅の話になります。

Sさんは若い頃にビーチリゾートや山など、アクティブな体験ができるところに積極的に行かれていたそうです。たとえばグアムやハワイ、沖縄・・・。マリンスポーツがお好きだったのかもしれません。

その後お子さんが大きくなられてからは、ヨーロッパやアメリカを中心に、大型連休には必ず、奥様といつもどこかへ行っておられました。

ロシアに行ったときにはおみやげにスタバのタンブラーを買ってきてくださり、楽しい思い出話を聞かせていただいたことが印象的です。

そのように、若い時にはビーチへ!歳を重ねてからはヨーロッパ!みたいな考え方は、とても的を得たものだな、と感じました。つまり、

ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する

のお考えだったのだな、と思うのです。

ルール6でも書かれていたのですが、「健康は金より重い」のです。

体力は年々衰えていき、健康上の問題は年齢が上がるにつれて大きな制約になり、高齢者では最大の制約になるといっても言い過ぎではないのではないでしょうか。

いくつになっても若い頃と同じようなことができる!と、今は思っていても、実際には体力気力ともにずっと一定ということはありえない。つまり、やりたいことには「賞味期限」があるわけですね。

60、70歳と歳を重ねてからでも、ビーチに行って、ビキニを着て、パシャパシャ水遊びをすることはできると思いますが、その時の自分が本当にそんなことをしたいと思うのかどうか?はその時になってみないとわかりません。ただ、スキューバダイビングをしたい、と思ったとき、周りのダイバーたちよりだいぶ年上であることは、想像に難くありません。そして周りから、「おじいちゃん、やめといたほうが良いんじゃないのかな」なんて、言われるかもしれません。

そういうことを思うと、やりたいと思ったことには、「賞味期限」があるわけなんですね。

そしてこれは子育てにも同じ!今は一緒にお風呂に入っていられても、10年後、一緒に入っていられているかはわかりません。その可能性はとても低いと思ったほうが良いでしょう。

子どもが成長して次の段階に移るまでに、一緒に何をしたいのか?

今後1,2年のうちに子どもたちとしたいこととは?

ということを、真剣に考えるときが来ているのかもしれません。

 

そして最後に思い浮かんだ、母。

母は数年前に体調を崩して、苦しい期間を過ごしてきたのですが、ここ2年ほどで少しずつ上向きになってきて、よく旅行にも出かけるようになりました。

私が読書が好き、ということもあって、時々何かおすすめの本はないか?ときいてきます。

なので、次はこの本を薦めてみたい、と思いました。

きっと母は、共感してくれるだろうと思うからです。

 

私がこの本を読んでいちばん共有したかったこと、それは、

「人生で一番大切な仕事は『思い出づくり』」ということです。

 

何かを経験して、それが思い出になる。

たとえば、家族3世代で旅行に行ってきた。

その経験は、その時はもちろん楽しい時間でしょう。

ですが、その経験からは、その瞬間の喜びだけではなく、あとで思い出せる記憶が得られます。

たとえば、「あの時に一緒に見た朝日が、とてもきれいだったよね!」とか。

あるいは、「食べ過ぎて飲みすぎて、その後のごちそうが食べられなかったよね!」なんて失敗談まで。

こういった思い出は、時間が過ぎてからも語り草となって、いつでも今を盛り上げてたり楽しい気持ちにさせてくれます。

著者のビル・パーキンスさんはこれを、「思い出の配当」と呼んでいます。

株式のように、思い出や経験からも配当が得られるのですね。

 

だからこそ、自分が何をすれば幸せになるのか?をよく知り、そのための経験には惜しまずに金を使うことが大切だと著者は言います。また、「経験の価値を信じよ」とも訴えます。

 

そのために、自分には何ができるんだろうか?

行動することかな、と思います。

自分に素直に、飾らず、照れず、惑わず、行動してみる。

 

著者は大胆に行動するためのポイントも紹介していました。

1,人生の早い段階が良い

2,行動をとらないことへのリスクも有る

3,「リスクの大きさ」と「不安」は区別すべき

 

これまでの人生において、今がいちばん年長ですが、

これからの人生においては、今がいちばん若い。

だからこそ、今、やりたいこと、経験できることは貪欲に、行動に移して行きたいな、と思いました。

 

こうやって考えたことをアウトプットして、整理するのって、

始めるまでは腰が重いですが、やり始めると結構楽しいですね。

 

おしまい。